トランスペアレント系と呼ばれる オーバードライブエフェクターがありますが、
どういった特徴があって、何を選べばいいのか、
分からない人もいるのではないかと思います。
この記事では、その特徴と使い方をわかりやすく解説し、
厳選したおすすめ機種を紹介しています。
機種によって、機能に違いがあるので、
自分にとって 必要なものがわかると、選びやすくなりますよ。
好みに合う機種が見つかると、TS系やケンタ系ともまた違った、
新たなサウンド作りが できる可能性があります。
トランスペアレント系って、
いまいち特徴がつかみづらいのよね。
分かりやすく言うと、
トレブルとベースのノブが付いた、オーバードライブだね。
詳しく見ていきましょう!
トランスペアレント系とは?
いつからあるの?
1997年に誕生した
Paul Cochrane TIM
が、トランスペアレント系の源流と言われています。
現在ではTIMの機能省略版のTimmyの方が、人気が出て有名です。
トランスペアレント系と名付けたのは誰?
名付け親は分かっていませんが、ジャンルとして確立される頃に、
商品名にTransparentを含む、以下の製品がリリースされています。
- Danelectro COOL CAT CTO-1 TRANSPARENT OVERDRIVE (2008年発売)
- Emerson Custom EM-Drive Transparent Overdrive (2013年発売)
これらが、「トランスペアレント系」と呼ばれる歪みのジャンルとして、
認識される決定打であったと思われます。
いづれも生産終了品です。
中音域のクセをコントロール
TS系を筆頭に、多くのオーバードライブエフェクターが
中音域に特徴があります。
トランスペアレント系と呼ばれるものは、
トレブルとベースのノブを使って、
高音域と低音域をカットすることで、
自分好みの中音域を設定する機種が多いです。
オーバードライブ/ブースター/EQとして、使い方はいろいろ!
オーバードライブしては、繊細なコントロールが可能で、
特にクランチサウンドを自分好みに設定できることが魅力です。
ガンガン歪ましても、もちろんカッコいいですよ!
中音域のクセを付けるのも、付けないのも自由であることから、
クリーンのブースターとして使われることも多いです。
クリーンブースターとして、使う際にギターの音色を調整する
イコライザーとしても使えます。
後段につなぐ、歪みペダルとの組み合わせも、可能性は無限ですね!
TS系も好きだけど、自分好みの中音域が作れるのは
とっても魅力的ね❣
調味料に例えて言うと、
TS系はマヨネーズ。
ケンタ系はコショー。
トランスペアレント系は、塩!のイメージかな。
4ノブ + トグルスイッチ付きの3機種
Paul Cochrane – Timmy V3
トランスペアレント系を代表する機種となります。
Gain/Volume/Treble/Bass
の4ノブがトランスペアレント系コントロールの基本ノブです。
Treble/Bassは特徴的です。
つまみを時計回りに回し切ったフルテンの位置が
トーンに色付けなしのフラットなポジションになり、
逆時計回りに回していくことで、自分好みに音色を作る操作になります。
(ちなみに、以前のバージョンのV1/V2では、回す方向は逆でした。)
トグルスイッチが真ん中にありますが、
これはブーストスイッチになっています。
(V1/V2では、クリッピングセレクターでした。)
内部ディップスイッチで、
- 上(A): 非対称クリッピング
- 下(S): 対称的クリッピング
が選択できます。
一般的に、
対称的クリッピングは、スムーズな歪みで、
非対称クリッピングは、倍音が多い歪みとなります。
残念ながらV1/V2/V3全て生産終了しております。
Timmyについては、詳しい記事がありますので、よろしければご覧ください。
MXR – CSP027 Timmy Overdrive
MXR版のTimmyがこちら。Paul Cochraneとのコラボモデルです。
これはPaul Cochrane Timmy V2が元になっています。
現在でも販売中なので、手に入れることのできる、
最も正統なトランスペアレント系オーバードライブと言えます。
TREBLE/BASSのトーンコーントロールは、
Paul Cochrane Timmy V1/V2の時計回りにカットとは異なり、
V3同様の反時計回りにカットの方式を採用しています。
トグルスイッチは
- 左: 非対称クリッピング (適度な歪みとコンプ感)
- 中: 対称的クリッピング (高いヘッドルームでキメ細かい歪み)
- 右: 対称的クリッピング (強い歪みコンプ感)
となっています。
内部ディップスイッチはありません
Walrus Audio – WARHORN
WARHORNは以前人気のあった、同社のエフェクターMayflowerの次世代版です。
トグルスイッチは
- 上: 対称的クリッピング (コンプ感のあるサウンド)
- 下: 非対称クリッピング (オープンでオーガニックなサウンド)
となっていて、上の時がMayflowerに近いサウンドです。
(Mayflowerは、この後、紹介するJan Rayと近い回路と言われています。)
TREBLE/BASSノブ、トグルスイッチ、内部ディップスイッチ
がトランスペアレント系の特徴だね。
4ノブ + 追加回路の2機種
VEMURAM – Jan Ray
こちらは大変人気の機種で、
TimmyとJan Rayがトランスペアレント系の二大巨頭と言っていいでしょう!
基本の4ノブに加えて、
サチュレーション・トリマーと呼ばれる回路が、追加されているのが特徴です。
筐体の上部側面のネジを、小さいプラスドライバーで回すことによって、
倍音を増加させることが可能です。
Danelectro – COOL CAT CTO-2 Transparent Overdrive
CTO-1がトランスペアレントという名前を冠にした最初の機種ですが、
それの次のバージョンがこちら。
TREBLE/BASSが同軸となっていて、見た目は3ノブです。
背面にノブがあるので、設定はしづらいですが、
一度、決めてしまえばその後、不意に動いてしまうことがありません。
内部のディップスイッチは4つあります。
- ディップスイッチ#1 – 青LEDクリッピング
- ディップスイッチ#2 – 赤LEDクリッピング
- ディップスイッチ#3 – J-FETクリッピング
- ディップスイッチ#4 – 入力ゲイン6dBアップ
#1~#3はクリッピングの付加で、歪みの量が増えます。
それぞれ、質感は異なりますので、好みで選んでいいと思います。
#4はブースター的な使い方をする時にONですね。
多彩なコントロールが可能になってますね!
残念ながら現在は生産終了しております
CTO-2は猫の手のデザインがかわいいわ❣
4ノブのみ! の3機種
MAD PROFESSOR – Royal Blue Overdrive
筐体は小豆色か、もしくはブルーベリーカラーですが、
ロイヤルブルーというネーミングはTimmyのことを指しているんでしょうね。
これはMAD PROFESSORらしく、ゲインがかなり効ききます。
トランスペアレント系はいいけれど、もう少し歪ませたい場合は
Roytal Blue Overdriveはおすすめ。
BASSノブがTREBLEノブと比べてよく効きます。
EARTHQUAKER DEVICES – Westwood
EARTHQUAKER DEVICESは近年、人気のメーカーですね。
こちらのWestwoodは
Number Girlの田渕ひさ子さんが、使用していて、
「曲中、例えばサビでコード弾きを歪ませたいとかいう時に」
と、言ってました。
Bass/Trebleノブは
ブーストもカットもできるアクティブEQとなっております。
electro-harmonix – Crayon
エレハモらしく使いやすい印象です。
他のトランスペアレント系は高級ブティック系のノリが強く
それなりの価格がしますが、これはとってもコスパが良いです。
サウンドさえ気に入れば、シンプルに4ノブのみでいいね。
トランスペアレント系オーバードライブエフェクター、おすすめ8機種まとめ
メーカー/モデル | 価格(税込) (中古価格) | オペアンプ | 特徴 |
---|---|---|---|
Paul Cochrane Timmy V3 | (57,200円~) | NJM(JRC)4580DD | The 元祖! |
MXR CSP027 Timmy Overdrive | 18,799円~ | LF353 | 最もオリジナルTimmyに近い |
Walrus Audio WARHORN | 19,980円~ | RC4558P | Mayflowerモードと、 新モードの切り替え可能 |
VEMURAM Jan Ray | 43,780円 | LM4558N | サチュレーショントリマーで 倍音コントロール可能 |
Danelectro CTO-2 | (9,900円~) | LF353 | クリッピング切り替えが多彩 |
Mad Professor Royal Blue Overdrive | 24,200円~ | JRC4558DD | 歪みの幅が大きい |
EARTHQUAKER DEVICES Westwood | 24,800円~ | OPA2134PA | アクティブEQ搭載 |
Electro-Harmonix Crayon | 12,200円~ | 情報なし | コスパで使いやすい |
価格は2023年10月のものです。
正統派は、
Paul Cochrane Timmyか、Danelectro CTO-2
になるけど、新品で手に入るのは、MXR Timmyだね。
倍音をコントロールしたいなら、Jan Rayで、
トグルスイッチでキャラを変えたいならWarhornね。
もっと歪ませたければ、Royal Blue Overdriveで、
EQの効きが良いのは、Westwoodだね。
エレハモCrayonは、コスパも良いし、使いやすいわ。
是非、この中から、お好みの機種を選んでみてください。
ギターの音色、そのままに、好みのアンプ、そのままに、
歪みだけを追加する。。。それがトランスペアレント!
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