トランスペアレント系オーバードライブエフェクターの代表機種、
Paul Cochrane Timmyについてのレビュー記事です。
現在生産終了しているので、中古で手に入れる場合、
V1からV3までの違いについて、知りたいと思いませんか?
この記事で細かい仕様の違いまで、解説していますので、
各バージョンの違いがわかりますよ。
自分に合うバージョンが見つかったら、
中古市場で探したり、出品待ちするといいと思います。
いいエフェクターとの出会いがあると、本当に楽しいですよね!
Timmyのことは気になっていたんだけど、
正直、どれ買っていいのか、迷うわ。
![まほべあさん](https://bears-music-camp.earth/wp-content/uploads/2023/01/Bear_Grl_trim_150.png)
![るきべあさん](https://bears-music-camp.earth/wp-content/uploads/2023/01/Bear_Boy_Left_trim_150_2.png)
他の伝説的なエフェクターと同様に、
中古価格も上がってきているから、
慎重に選ばないとね。
Paul Cochrane Timmyとは?
その名の通り、ポール・コクレーンご自身のブランドから、
発売されている、オーバードライブエフェクターです。
トランスペアレント系と呼ばれるジャンルの中で、
代表する機種と言われています。
トランスペアレント系については、以下の記事で解説しています。
TIMの省略版として誕生
![Paul Cochrane Tim イメージイラスト](https://bears-music-camp.earth/wp-content/uploads/2023/10/tim.png)
Timmyはポール・コクレーン氏が、90年代末に完成させたエフェクター、
TIMの機能省略版として2004年に誕生しました。
TIMに搭載されているブースト機能と、センド・リターンを省略したものが
Timmyです。
名前の由来
V1の説明書に記載がありますが、
映画「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」に登場する
“妖術師ティム”が由来です。
ポール・コクレーン氏ご本人は、最初は冗談のつもりで、
「ティム」と呼んでいたけれど、
結局、その名前が定着してしまったそうです。
映画ではティムが岩を爆発させます。その轟音と歪みペダルの音を
重ね合わせたのかもしれません。
Timmyは「小さなティム」、「かわいいティム」のような
意味合いで名付けられたのだと思います。
![妖術師ティム](https://bears-music-camp.earth/wp-content/uploads/2023/10/magician_tim.png)
V3では、妖術師ティムのイラストが筐体に描かれています。
![るきべあさん](https://bears-music-camp.earth/wp-content/uploads/2023/01/Bear_Boy_Left_trim_150_2.png)
V1のマニュアルには、
「モンティ・パイソンの面白いジョークがあれば、
電話かメールをください」
と書かれています。
バージョン遍歴とその歴史
V1 (初期型) – 内部ディップスイッチでクリッピング切り替え
![Timmy V1 - イメージイラスト](https://bears-music-camp.earth/wp-content/uploads/2023/10/timmy_v1.png)
初期型のV1はブラックにブルーのマーブル模様でつつまれていて、
これが、Timmyの基本カラーです。
Gain/Volume/Treble/Bassの基本4ノブに加えて、
内部のディップスイッチで、クリッピングの切り替えを行います。
![ディップスイッチ 1](https://bears-music-camp.earth/wp-content/uploads/2023/10/v1_dip_off_off.png)
両方オフ – レギュラーモード
![ディップスイッチ 2](https://bears-music-camp.earth/wp-content/uploads/2023/10/v1_dip_on_off.png)
1オン2オフ – 非対称クリッピングモード1
![ディップスイッチ 3](https://bears-music-camp.earth/wp-content/uploads/2023/10/v1_dip_off_on.png)
1オフ2オン – 非対称クリッピングモード2
![ディップスイッチ 4](https://bears-music-camp.earth/wp-content/uploads/2023/10/v1_dip_on_on.png)
両方オン – コンプレスドモード
非対称クリッピングモードが2種類ありますが、
これは、組み合わせる他の歪みエフェクターが
非対称クリッピングであった場合の、相性によって、切り替えます。
V2 – トグルスイッチでクリッピング切り替え
![Timmy V2 - イラスト](https://bears-music-camp.earth/wp-content/uploads/2023/10/timmy_v2.png)
V2はトグルスイッチによるクリッピングとなり、
内部ディップスイッチはなくなりました。
トグルスイッチのモード切り替えは、
以下の通りです。
- 上: 非対称セッティング
- 中: 最小コンプの対称セッティング
- 下: 深いコンプの対称セッティング
ポールさんは、真ん中が、
“Timmyの真の声”
と言ってるわ。
![まほべあさん](https://bears-music-camp.earth/wp-content/uploads/2023/01/Bear_Grl_trim_150.png)
V2はショップ限定も含め、
色々なカラーバリエーションがあるのも特徴です。
確認できただけで、
- ゴールド
- レッド
- ブルー
- ホワイト
- サーフグリーン
- ハワイアンティール
がありました。
V3 – 内部ディップスイッチ + トグルスイッチブースト
![Timmy V3](https://bears-music-camp.earth/wp-content/uploads/2023/10/Timmy_v3-1.png)
15th Anniversary V3では、トグルスイッチはブーストスイッチになりました。
また、内部ディップスイッチが復活し、以下のモードが選べます。
- 上(A): 非対称クリッピング
- 下(S): 対称的クリッピング
バージョンと細かい仕様遍歴の年表
- 2004Paul Cochrane Timmy V1誕生
- 2009ユニバーサル基板からプリント基板に変更
2008年後半に基板が変更になります。
回路的な変更はほとんどなく、ほぼ同じレイアウト
- 2010V2の誕生
- 内部ディップスイッチによる、クリッピングの切り替えを、
外部トグルスイッチに変更 - GAINとBASSのポジションを変更
- DC IN端子を筐体上側に移動。(V1では右側)
- フットスイッチを手前に移動
- これらはほとんど単に機械的な変更で、
音への影響は少ない。(Paul氏本人の発言) - 100数台目以降、ボリュームのユニティゲインが
14時から12時位置に変更
- 内部ディップスイッチによる、クリッピングの切り替えを、
- 2014ボリューム/トレブルのテーパーを変更
ボリューム/トレブルを設定しやすいように、テーパーを変更
この変更に伴い、それ以前のバージョンと比べて、
同じ設定でもノブ位置は異なるが、音には影響はない。 - 201915th Anniversary V3発売
- オペアンプがNJM(JRC)4580DDに変更
(V1/V2はJRC4559D ※LM1458の時期もあったらしい) - トグルスイッチがゲインブーストスイッチに変更
- 内部ディップスイッチで、対称/非対称クリッピングが選択可能
- オペアンプがNJM(JRC)4580DDに変更
- 2020V2を元にしたMXR版Timmy発売
Timmyの使い方はいろいろ!
オーバードライブエフェクターなので、
歪みとして利用するのはもちろんですが、
実はいろいろな使い方が可能です。
EQは他のエフェクターとは少し違う?
TS系のエフェクターでは、中音域がブーストされたような
クセがありますが、Timmyにはそれがほとんどなく、
これが、トランスペアレント系と呼ばれる所以です。
ベースとトレブルのノブは、
周波数がほぼフラットの状態から、カットするタイプの
コントロールです。
V1/V2では、つまみの位置が最小でフラットです。
そこから、上げていくと各帯域がカットされていきます。
つまり、聴感上は、それぞれのつまみを上げているつもりが、
逆の聴こえ方になります。
V3とMXR版Timmyでは、この方向は逆になり、
他の多くのエフェクターに近い操作になりました。
歪ませずに、シンプルなEQとして
利用するのもいいわね。
![まほべあさん](https://bears-music-camp.earth/wp-content/uploads/2023/01/Bear_Grl_trim_150.png)
ブースターとしての使用
ブースターとしての使用も優秀です。
GAINをゼロで、EQをフラットの位置で、使用すればクリーンブースターになります。
お好みで、BASS/TREBLEを絞って、
中音域にフォーカスさせたブースターとしてもいいでしょう。
V3のブーストスイッチはブースターとして、使用する際に、
威力を発揮します。
対象? 非対称? クリッピングの選び方
クリッピングの切り替えが、各バージョンありますが、
これはお好みで選んで良いと思います。
対称 – スムーズでマイルドな質感
非対称 – エッジの効いた粒子の荒い歪み
と言われています。ちなみに、真空管の歪みは非対称です。
他のエフェクターと比較して、
次のように覚えておくとわかりやすいかと思います。
- TS系 – 対象クリッピング
- ケンタウルス系 – 非対称クリッピング
トランスペアレント系オーバードライブの代表! Timmyを解説!まとめ
各バージョンの仕様を以下にまとめました。
モデル | オペアンプ | DIPスイッチ | トグルスイッチ |
---|---|---|---|
Timmy V1 | JRC 4559D | x2 (クリッピング の切り替え) | 無し |
Timmy V2 | JRC 4559D | 無し | 上/中/下 (クリッピング の切り替え) |
Timmy V3 | NJM(JRC)4580DD | x1 (クリッピング の切り替え) | ゲインブースト ON/OFF |
MXR Timmy | LF353 | 無し | 左/中/右 (クリッピング の切り替え) |
MXR版以外はいづれも、生産終了しているので、
中古で入手する際は、これらの違いを参照ください。
![るきべあさん](https://bears-music-camp.earth/wp-content/uploads/2023/01/Bear_Boy_Left_trim_150_2.png)
V1は非対称クリッピングが
2種類あるので、ケンタ系と合わせる時に、
相性が良い方をセレクトできるね。
V2はトグルスイッチで
クリッピング切り替えできるのが楽ね!
![まほべあさん](https://bears-music-camp.earth/wp-content/uploads/2023/01/Bear_Grl_trim_150.png)
![るきべあさん](https://bears-music-camp.earth/wp-content/uploads/2023/01/Bear_Boy_Left_trim_150_2.png)
クリッピング切り替えを、頻繁にしないのであれば、
V3で、ブーストスイッチも魅力だね。
V1-V3は生産終了で、プレミア価格だから、
MXR版は新品で購入できるし、コスパだわ!
![まほべあさん](https://bears-music-camp.earth/wp-content/uploads/2023/01/Bear_Grl_trim_150.png)
![べあーず ありがとうございました。](https://bears-music-camp.earth/wp-content/uploads/2023/01/Thak_You.jpg)
コメント