トランスペアレント系オーバードライブの代表! Timmyを解説!

トランスペアレント系オーバードライブの代表! Timmyを解説! - アイキャッチ エフェクター

トランスペアレント系オーバードライブエフェクターの代表機種、
Paul Cochrane Timmyについてのレビュー記事です。

現在生産終了しているので、中古で手に入れる場合、
V1からV3までの違いについて、知りたいと思いませんか?

この記事で細かい仕様の違いまで、解説していますので、
各バージョンの違いがわかりますよ。

自分に合うバージョンが見つかったら、
中古市場で探したり、出品待ちするといいと思います。
いいエフェクターとの出会いがあると、本当に楽しいですよね!

Timmyのことは気になっていたんだけど、
正直、どれ買っていいのか、迷うわ。

まほべあさん
まほべあさん
るきべあさん
るきべあさん

他の伝説的なエフェクターと同様に、
中古価格も上がってきているから、
慎重に選ばないとね。

Paul Cochrane Timmyとは?

その名の通り、ポール・コクレーンご自身のブランドから、
発売されている、オーバードライブエフェクターです。
トランスペアレント系と呼ばれるジャンルの中で、
代表する機種と言われています。

トランスペアレント系については、以下の記事で解説しています。

TIMの省略版として誕生

Paul Cochrane Tim イメージイラスト
Tim イメージイラスト

Timmyポール・コクレーン氏が、90年代末に完成させたエフェクター、
TIMの機能省略版として2004年に誕生しました。
TIMに搭載されているブースト機能と、センド・リターンを省略したものが
Timmyです。

名前の由来

V1の説明書に記載がありますが、
映画「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」に登場する
“妖術師ティム”が由来です。

ポール・コクレーン氏ご本人は、最初は冗談のつもりで、
「ティム」と呼んでいたけれど、
結局、その名前が定着してしまったそうです。

映画ではティムが岩を爆発させます。その轟音と歪みペダルの音を
重ね合わせたのかもしれません。

Timmyは「小さなティム」、「かわいいティム」のような
意味合いで名付けられたのだと思います。

妖術師ティム

V3では、妖術師ティムのイラストが筐体に描かれています。

るきべあさん
るきべあさん

V1のマニュアルには、
「モンティ・パイソンの面白いジョークがあれば、
電話かメールをください」
と書かれています。

バージョン遍歴とその歴史

V1 (初期型) – 内部ディップスイッチでクリッピング切り替え

Timmy V1 - イメージイラスト
Timmy V1のイメージイラスト

初期型のV1はブラックにブルーのマーブル模様でつつまれていて、
これが、Timmyの基本カラーです。

Gain/Volume/Treble/Bassの基本4ノブに加えて、
内部のディップスイッチで、クリッピングの切り替えを行います。

ディップスイッチ 1

両方オフ – レギュラーモード

ディップスイッチ 2

1オン2オフ – 非対称クリッピングモード1

ディップスイッチ 3

1オフ2オン – 非対称クリッピングモード2

ディップスイッチ 4

両方オン – コンプレスドモード

非対称クリッピングモードが2種類ありますが、
これは、組み合わせる他の歪みエフェクターが
非対称クリッピングであった場合の、相性によって、切り替えます。

V2 – トグルスイッチでクリッピング切り替え

Timmy V2 - イラスト
Timmy V2のイメージイラスト

V2はトグルスイッチによるクリッピングとなり、
内部ディップスイッチはなくなりました。

トグルスイッチのモード切り替えは、
以下の通りです。

  • 上: 非対称セッティング
  • 中: 最小コンプの対称セッティング
  • 下: 深いコンプの対称セッティング

ポールさんは、真ん中が、
Timmyの真の声”
と言ってるわ。

まほべあさん
まほべあさん

V2はショップ限定も含め、
色々なカラーバリエーションがあるのも特徴です。
確認できただけで、

  • ゴールド
  • レッド
  • ブルー
  • ホワイト
  • サーフグリーン
  • ハワイアンティール

がありました。

V3 – 内部ディップスイッチ + トグルスイッチブースト

Timmy V3

15th Anniversary V3では、トグルスイッチはブーストスイッチになりました。

また、内部ディップスイッチが復活し、以下のモードが選べます。

  • 上(A): 非対称クリッピング
  • 下(S): 対称的クリッピング

バージョンと細かい仕様遍歴の年表

Timmyの年表
  • 2004
    Paul Cochrane Timmy V1誕生
  • 2009
    ユニバーサル基板からプリント基板に変更

    2008年後半に基板が変更になります。

    回路的な変更はほとんどなく、ほぼ同じレイアウト

  • 2010
    V2の誕生
    • 内部ディップスイッチによる、クリッピングの切り替えを、
      外部トグルスイッチに変更
    • GAINとBASSのポジションを変更
    • DC IN端子を筐体上側に移動。(V1では右側)
    • フットスイッチを手前に移動
    • これらはほとんど単に機械的な変更で、
      音への影響は少ない。
      (Paul氏本人の発言)
    • 100数台目以降、ボリュームのユニティゲインが
      14時から12時位置に変更
  • 2014
    ボリューム/トレブルのテーパーを変更

    ボリューム/トレブルを設定しやすいように、テーパーを変更
    この変更に伴い、それ以前のバージョンと比べて、
    同じ設定でもノブ位置は異なるが、音には影響はない。

  • 2019
    15th Anniversary V3発売
    • オペアンプがNJM(JRC)4580DDに変更
      (V1/V2はJRC4559D ※LM1458の時期もあったらしい)
    • トグルスイッチがゲインブーストスイッチに変更
    • 内部ディップスイッチで、対称/非対称クリッピングが選択可能
  • 2020
    V2を元にしたMXR版Timmy発売

Timmyの使い方はいろいろ!

オーバードライブエフェクターなので、
歪みとして利用するのはもちろんですが、
実はいろいろな使い方が可能です。

EQは他のエフェクターとは少し違う?

TS系のエフェクターでは、中音域がブーストされたような
クセがありますが、Timmyにはそれがほとんどなく、
これが、トランスペアレント系と呼ばれる所以です。

ベースとトレブルのノブは、
周波数がほぼフラットの状態から、カットするタイプの
コントロールです。

V1/V2では、つまみの位置が最小でフラットです。
そこから、上げていくと各帯域がカットされていきます。
つまり、聴感上は、それぞれのつまみを上げているつもりが、
逆の聴こえ方になります。


V3MXR版Timmyでは、この方向は逆になり
他の多くのエフェクターに近い操作になりました。

歪ませずに、シンプルなEQとして
利用するのもいいわね。

まほべあさん
まほべあさん

ブースターとしての使用

ブースターとしての使用も優秀です。
GAINをゼロで、EQをフラットの位置で、使用すればクリーンブースターになります。

お好みで、BASS/TREBLEを絞って、
中音域にフォーカスさせたブースターとしてもいいでしょう。

V3のブーストスイッチはブースターとして、使用する際に、
威力を発揮します。

対象? 非対称? クリッピングの選び方

クリッピングの切り替えが、各バージョンありますが、
これはお好みで選んで良いと思います。

対称 – スムーズでマイルドな質感
非対称 – エッジの効いた粒子の荒い歪み

と言われています。ちなみに、真空管の歪みは非対称です。

他のエフェクターと比較して、
次のように覚えておくとわかりやすいかと思います。

  • TS系 – 対象クリッピング
  • ケンタウルス系 – 非対称クリッピング

トランスペアレント系オーバードライブの代表! Timmyを解説!まとめ

各バージョンの仕様を以下にまとめました。

モデルオペアンプDIPスイッチトグルスイッチ
Timmy V1JRC 4559Dx2
(クリッピング
の切り替え)
無し
Timmy V2JRC 4559D無し上/中/下
(クリッピング
の切り替え)
Timmy V3NJM(JRC)4580DDx1
(クリッピング
の切り替え)
ゲインブースト
ON/OFF
MXR TimmyLF353無し左/中/右
(クリッピング
の切り替え)

MXR版以外はいづれも、生産終了しているので、
中古で入手する際は、これらの違いを参照ください。

るきべあさん
るきべあさん

V1は非対称クリッピングが
2種類あるので、ケンタ系と合わせる時に、
相性が良い方をセレクトできるね。

V2はトグルスイッチで
クリッピング切り替えできるのが楽ね!

まほべあさん
まほべあさん
るきべあさん
るきべあさん

クリッピング切り替えを、頻繁にしないのであれば、
V3で、ブーストスイッチも魅力だね。

V1-V3は生産終了で、プレミア価格だから、
MXR版は新品で購入できるし、コスパだわ!

まほべあさん
まほべあさん
べあーず ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました